【コラム】80'sジャップインベンション
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1980年代、電子楽器の目まぐるしい進歩と発展と共に、これらが音楽業界に与えた影響はセンセーショナルなものでした。
特に、日本の楽器メーカー、ヤマハ、ローランド、アカイ、コルグの4社もたらした音楽の革命は、それまでのサウンドを一新させてしまうだけの影響力がありました。
(シンセサイザー、ドラムマシーン、サンプラーといった全ての電子楽器の分野で、それぞれ名機を生み出しています。)
今回は、後に語られた電子楽器とシーンについての考察をご紹介したいと思います。
証言①
DX7が世界的なロック・ポップミュージックに与えた影響について考察されています。
FM音源による高音の倍音成分を含んだ、金属的なサウンドが当時の音楽関係者たちに多大なる衝撃を与えました。
当時のシンセサイザーとしては圧倒的に安価であったことも、現在でも「最も売れた(普及した)シンセサイザー」を冠している要因の一つでしょう。
また、デジタル制御による設定の呼び出しが瞬時に行えるなど、現場での使い勝手も非常に良かったといえます。
このように、多方面でサウンドの実験が行われ、今日のサウンドの礎となっております。
(現代のシティーポップ再評価などにより、DX7のサウンドに再びスポットライトが浴びせられています。)
証言②
ハウスミュージックにTR909は必要不可欠だよね、という話です。
(TR909は、後述のTR808、TB303と共に「3種の神器」として今日でも語られている名機の一つです。)
最後の方にM1がちらっと出ていますが、こちらも90年代ハウスサウンドを少々する一つとなっています。
証言③
ドラムマシーンの歴史について解説、考察を行っていますが、結局のところヒップホップにおいて「TR808とMPCは最高だぜ(今も)!!」ということに収まりそうです。
TR808はあまりにも多くのフォロワーを現在でも生み続けている為、後にTR808の映画が作られたほどです。
一般的に、TR808はドラムフレーズ、TR909はパーカッションとして使用されると言われていますが、現代の刺激的な音楽家たちから言わせれば、その使い方も既に範疇の外にあると言えるでしょう。
証言④
これまた名機「TB303」につていの考察集となっています。ハウス/テクノ、ヒップホップシーンという、当時のアンダーグラウンドなミュージックシーンどちらにも使用された、ベースシンセサイザーの決定版です。
まとめ
日本のテクノロジーがもたらしたサウンド革命は、間違いなく「ジャップインベンション」と言って過言ではないでしょう。遠く離れた異国の地を舞台に発展したシーンとサウンドは、今日でも私たちを魅了し続けています。
そして、更なる発展の期待を待ち遠しく思う音楽ファンとシーンの為に、日夜惜しまず努力を絶え間なく続けてくれている技術者がいることを、我々は忘れてはいけないのかもしれません。
※付録動画
DX7の解説
DX7を使用した楽曲例
Europe - The Final Countdown
Kenny Loggins - Danger Zone
シカゴ・ハウス
Frankie Knuckles - Your Love
MARSHALL JEFFERSON - MOVE YOUR BODY
Mr Fingers - Can You Feel It
デトロイト・テクノ
Rhythm Is Rhythm - Strings Of Life
Model 500 - NO UFO'S
Good Life - Inner City
TR-808の解説
TR-808を使用したHipHop
Afrika Bambaataa - Planet Rock
Beastie Boys - Brass Monkey
M1の解説
M1を使用した楽曲例
Black Box - Ride on Time